銚子電気鉄道株式会社
代表取締役社長
 

小川文雄さん

 
 
昭和14年、新潟県生まれ。

平成 2年、銚子電鉄に専務取締役に就任。

平成16年、社長に就任。

 
 

★今回は、このようなお話をご承諾いただき、ありがとうございます!

早速ですが・・・




(取材用のカメラを見て)お、いいの使ってるね。

私も昔は撮ってたんだ、高校時代。当時はまだ写真がそんなに普及してなかったけどね、

アイツはあのコが好きだなんて聞くと、そのコの写真を撮って売ってね、商売してたんだ(笑)



★アイデアマンというか、商魂たくましい若者だったのですね(笑)

そういえば、私たち、勝手に社長さんはずっと銚子の方だと思っていたのですが、もともとは違ったそうですね。ご出身はどちらなのですか。




生まれも育ちも新潟。実家は建築業。

高校を卒業してしばらく地元のロープウェーに就職して勤務した後に20歳代の後半から約20年間2軒の旅館で、支配人や副社長として勤務してました。



★それがどうしてまた、銚子に来ることに?




ちょっと長くなるけど、

新潟に上越新幹線が通る、と決まった時にね、新しいホテルを立てることにしたんだけれど、

当時、大手の会社がみんなで談合をして、べらぼうに高い値段を出してきたもんだから、

一時、計画をとりやめたんです。でも、すぐに適正な価格で請け負ってくれる業者さんに出会って。



★もしかして、その業者さんが、後に銚子電鉄を子会社にされた内野屋工務店さんですか?



そう。それで、ホテルを建てることができた。

でも、実際にホテルを建ててから2年、3年と新幹線の開通が長引いてしまって。

今度は経営がもたなくて困ってしまった、その3年の間、ずっと多額の援助をしてくれたのも、内野屋工務店で。

もう、世話になりっぱなしだから、後に「頼みがある」なんていわれたときには、何だろうと怖くてね(笑)。

それが、銚子電鉄を買収する話。来てくれと言われて、断れるはずがなかった。

当時の工務店さんには、建築や土木のプロフェッショナルはたくさんいても、観光という面を知っている人がいなかったんでしょう。



★なるほど。観光のプロとして呼ばれたわけですね。社長さんにとって銚子はどんな町ですか?



銚子はね、とにかく、人がいいですよ。

この辺はキャベツが特産でね、キャベツ畑だらけでしょ。

近所の人もみんなキャベツ畑を持っているんだけど、収穫をしたその日は、こんな大きなダンボールに何箱もキャベツを入れて、

黙って玄関先に置いてってくれる(笑)

漁師さんもね、大漁の日は同じ魚をいっぱい箱にいれて、置いていく(笑)

田舎の人は排他的で、3代くらい住まないと地元民と認めてくれなかったりすることもあるけど、

決してそんなことはなくてね。



★私たちも何度か銚子に来てますけど、みんな驚くほどオープンで親切な方ばりで。

必ず誰かとおしゃべりをして帰ります。キャベツ・・・いいなあ。




でも今は、うちは家内とふたりきりだし、とても食べきれるわけがなくてね(笑)

新潟の旅館をやってる親戚に送ると、それはもう喜んでくれる。

それと、たまには新年会なんかをうちでやって、社員を呼んだときには、

私が魚をさばいてふるまったりしてね。旅館に勤務していたからずっと板前のやることだって見てきたから、私、料理ならなんでもできちゃうんですよ。



★ではお休みの日はお料理を楽しまれたり?



休みの日にそんなめんどくさいことしないよ(笑)

最近は孫に会いに行ってばっかり。6人いるんだけど、孫たちも私が会いにいかないと怒るから。

でも長男はちょっと遠くに住んでるから、会いに行くのもなかなか大変でね。

引退したら同居することに決めてるんだけど。

(と携帯の待ち受け画面のお孫さんのお写真をみせてくださいました。とってもかわいらしい!)



★早く一緒に暮らしたいですね。でも銚子電鉄をほうってはおけないですものね!




そう。今は、ぬれ煎餅の売り上げでなんとかもっている状態だけれど、

ブームというものは長く持つはずがないから。鉄道だけで収支が保てるようにしないといけない。

鉄道というのは、安全を確保するための修繕費というのが莫大にかかるんだけど、

この(現状の銚子電鉄の)乗客数の収益で、修繕を続けるというのは、現実的にとても無理な話なんです。

地方はどんどん車社会になっているから乗客数の減少もはげしくて。

すると運行ダイヤを減らすからどんどん不便になって、

ますます鉄道離れがはげしくなってしまう、という悪循環が全国的に起こっていて。

地方鉄道はみんな同じ問題に直面していて、廃線の危機にさらされていますが、必ず鉄道を必要としている人たちが、そこには生活をしているんです。



★では、その問題を解決するための策を、今、練られているのですね。




でも、これは全国的な問題で、一社だけでなんとかなるものではないからね。

今、議員さんがたくさん集まって、もうすぐ立法を出すことになっているんです。

だからきっとこの問題は解決すると思っています。

そうしたら、後は、「銚子電鉄は銚子市民のものである」ことを受け継いでくれる後継者が育ってくれれば、私は安心ですよ。


★では、最後に「観光のプロ」の社長さんにとって、「旅の魅力」とは何ですか。




旅館の営業をしていたときに、全国あちこちの旅行会社に売り込みに飛び回りましたから。

行ったことのないまちはほとんどないですけど、

どこへ行っても食べ物はおいしいし、やっぱり、そこにしかないものがある。

そこにしかないもの、が旅の醍醐味。

でもそれをうまくアピールできないと、お客さんは来てくれない。

私も旅館時代は、板前に、お客さんの目の前で魚をさばかせたり、舞台の上にでっかい舟を乗せて、刺身盛り食べ放題とか。

当時は賛否両論あったけど、いろいろやりましたよ。

たとえば、おんなじ種類の魚でも、日本海と太平洋では味が全然違う。

銚子はね、もっと銚子にしかないものをアピールしなきゃ、と思います。

銚子の魚には銚子にしかないおいしさがありますからね。



★ほんとうに銚子は、お魚もおいしいし、おいしいものだらけですし、

海も景色も、ここだけのものです!私たちもこれを伝えられるよう、がんばります。

今日はお忙しい中、ありがとうございました。

 
         
 
最後に撮らせていただいた写真のご確認をお願いすると、

「写真を撮るときは普通の顔するなって孫に言われてるんだ。怖いから(笑)」

と笑顔でこたえてくださった社長さんはとてもフランクで気さくな方でした。

エンターテイメントビジネス精神も、楽しく学ばせていただきました!(インタビュー:漢那悦子)

 
         
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